嘘と欺瞞に満ち溢れた発火色大事理論
お題のようなもの
https://twitter.com/i/events/1270663912266973184?s=13
発火色と他の色がどちらも3連結になっている時に、どちらか一方のみ足せるツモを引きました。
この場合、どちらの色を足すのが正しいのでしょうか。
発火色大事理論の主張
この問題を考える時に、「発火色大事理論」という理論を考える必要があります。
発火色大事理論の主張には大きく2つあって、
①発火色は8つ必要だから、大事にするべきだよ
②発火色を2つ引くのと、発火色1つと別の必要色1つを引くのとでは後者の方が確率が高いよ
こうなっています。
発火色大事理論 その①
まず①については、今回のケースと関係がないことが分かります。
この主張は全体の手組についての主張であり、要はタワーであれば鍵型の構築なり、2連鎖目の連結に使った方が良いという話です。今回のように、発火色と他の色の連結数が同じである、特定条件下の話をそもそもしていません。
更に言うなら、全体の手組としても発火色大事理論は機能しません。この記事の主旨とは違うため深くは掘りませんが、理由は2つ。
1つは「鍵型が出来ていない段階で発火色を捨てる場面がほぼない」ことです。
こんな形なら赤下の4縦で緑を確定させるのもなくはない(あまりない)ですが、それにしても赤は現状4つ。他の色と明確な差があるとは言えません。
もう1つは「そもそも発火色以外を4つで良いとしていることがおかしい」ことです。タワーは19個を作る連鎖なので、発火色は8つ、他の色は4つという数字を基準に考えることができないのです。
というかテンパイした形が最終形になるため、仮に比較するとしたら7つと4つで比較しないとおかしいんですよね(連鎖の場合は知らない)。
デスタワーは、鍵型のうち少なくとも4列目の2つを最優先で組む連鎖です。7-2で5つ必要な発火色と、3色で15個必要なその他の色。こう見ると発火色大事理論の出番がないことが分かると思います。
発火色大事理論 その②
続いて②について、文章を読んだだけでもおかしいと気づいた方もいるかもしれません。
発火色(仮に赤とします)を2つ引く確率と、必要色(緑とします)1つを引いてから発火色を引く確率は全く同じです。
発火できる状況を作るためには、前者なら赤を、後者なら緑を引けば良いわけです。赤を引く確率と緑を引く確率は当然同じですし、テンパイしてから発火色を引く確率は前者と後者で差が出るはずもないので、2つ目の主張は破綻しています。そりゃそうだ
サイコロを3回振る時、3→3→4と引く確率と、4→4→4と引く確率が、どちらも(1/6)3、1/216であることと同様ですね。なお特定の球団を示唆する意図はありません。
お題への発火色大事理論の適用
「4手目までに赤を引かずに5手目で初めて赤を引く(以下A)のと、4手目までに緑を引かずに5手目で初めて赤を引く(以下B)のとでは、前者は発火できる可能性がある分有利って認識でよいのだろうか」
お題の画像に対して私がツイートした内容です。
なんだか一見正しそうに見えます。
こちらがそれに対して私が作った汚いメモです。本当に汚いので読まなくて大丈夫です(緑ではなく黄と書いている謎)。
お題のツモを置いてから、発火までに4手以内となった場合の勝率差を求めようとして、赤を足した方が14.7%有利という結果を得ました。しかし、タイトルにある通りこれは嘘でした。
ツイートに戻って、Aで書いていることはそのままです。「4手目までに赤を引かず、5手目で赤を引く」です。つまり、(9/16)4×7/16≒4.38%です。この中で発火色優先が優位になるのは、「4手目までに赤を1つも引かず、かつ緑を1つ以上引く」というツモです。
Bは一見すると同条件に見えますが、そうではありません。分解すると、「4手目までに赤も緑も引かず、5手目で赤を引く」と書いています。つまり、(4/16)4×7/16≒0.17%です。紙のように薄い確率が出てきてしまいました。
同条件比較だと思っていたものが同条件でなかったわけです。うーんこの文系脳(国語ができていないのでただのバカとも言う)
同条件にするには、Bを「4手目までに緑を引かずに5手目で初めて緑を引く」にしないといけなかったわけです。ただし、この文では赤について言及しておらず、比較に使える文章になっていません(赤→赤という最短2手発火なども含む文章になっているため)。
まとめ
結局のところ、「発火色大事理論 その②」に書いた内容が全てでした。
3手で発火できる場合、2手目までに、赤優先したなら緑を、緑優先したなら赤を引けば良い。
4手で発火できる場合、3手目までに、赤優先したなら緑を、緑優先したなら赤を引けば良い。
前述の通りこれらの勝率に差はなく、数字を変えても当然同様です。n手で発火できない確率も、言わずもがな同じです。
じゃあ結局どっちを足すのが正しいのよ、という話ですが、下に足しておけばまず怒られません。
お題の画像では緑ゾロでちぎりが発生する一方、赤ゾロではちぎりが必要ありません。そのほかデビルのケースも考えられます。
よって下に足すのがおおよそ正解ですが、ネクスト判断をするのも大いにアリですし、リソースに余裕があればハチイチ受けに意識を回して、受けがある方を選ぶなど、アレンジしていきましょう。私は両方やります。
確率を正しく理解されている方からしてみれば、なんの学びもない記事だったかと思いますが、ふと考えてみたら混乱してきたので頭の整理も兼ねたということで。
参考 15:45~
ぷよぷよ 確率計算してみた【速攻講座】 - ニコニコ動画