五式履修RTAその2
五式があまりにも下手なので強化月間(月を跨いだ)企画第2弾。1・2層目の連結方向について。
いきなり三式の例えになりますが、このような鍵下ゾロを3縦するのは、なぜ悪手なのでしょうか。
答えは単純で、3列目を埋めたことにより、1・2層目の連結余地が、6列目で被ってしまっているからですね。
連結を伸ばす方向が被ると、1層目を伸ばしてからでないと2層目を伸ばせないという色の制約が発生する・ちぎりが増える・連結数が伸びないといった、様々な問題が出てきます。
今のは極端な例ですが、「1・2層目の連結方向は被らせない」という意識は常にあった方が良く、1層目が3列目から伸びるなら2層目は6列目、1層目が6列目から伸びるなら2層目は3列目、ということを考えておくと、自然に捌けるツモが増えます。
これを五式に変換すると、1層目が1・2列目から伸びるなら2層目は4列目、1層目が4列目から伸びるなら2層目は1・2列目、となります。
実際のところ、1層目が4列目だけで伸びるケースはあまりないですが、大切なのは、1・2層目の連結方向を被らせない意識。3層目の連結方向は、特に意識する必要はありません。1・2層目の偏り次第で、どちらからも伸びる可能性があります。
五式で、4列目から伸ばしていくには、当然3列目にある色より4列目が高くならないといけません。大体のケースで4列目から伸ばすのは2層目になることを踏まえると、鍵上の色は4列目にも積極的に置いて高くしていきたいところです。
ただし、鍵上色はまず2列目に置きます。前回の記事に書いた通り、鍵上色を2列目1段目に置けると、連結余地が広がり、3色の目なども広がります。
そのため、基本的に鍵上色は①2列目1段目②4列目3段目、という優先順位で置いていくことになります(3手目に引いた鍵上色(BCツモ)は、2縦ではなく34になるというのも前回の記事に書いた通りです。初手周りは覚えゲーなので例外処理してください)。
①
このツモは、上位勢でも捌き方が分かれていて、2縦も4縦ももかなり有力な選択肢になっています。ちなみに私は2縦です。
4縦のメリットは、4列目の高さを合わせ、連結方向を分散させつつ組んでいきやすい点にあります。
2縦のメリットは、黄の連結余地が多く残る点、赤が寄った時に2列目から入れることができる点にあります。
一見、1・2層目の連結方向を被らせないという原則に基づくと4縦になりそうですが、4縦が完全に分散できるかと言うと、そうでもない展開もあります。
具体的には、2層目(紫)と3層目(赤)の兼ね合いで、結局1・2層目の連結方向が左で被る、ということもあり得ます。
黄緑4縦から、赤紫→赤ゾロと引いた図。4縦とすると、緑と紫の連結方向が左で被ります。かといって、3縦として紫を4列目から伸ばせるようにしても、直後に赤が来た場合は使えず、不安定になってしまいます。
黄緑2縦からの展開は、こうなります。
苦しい形ではありますが、赤ゾロ3縦でも、緑と紫の連結方向はまだ分けることができるぶん、黄緑4縦より良形であると言えます。
赤ゾロ3縦から、黄緑ツモなら4縦で緑を左・紫を右、黄紫ツモなら1縦で緑を右・紫を左、という方針です。
黄紫ツモは4縦も一応アリですが、緑も紫も4連結になることが多く(緑ゾロが1列目に入らない限りそうなる)、連結数に不安が残ります。緑が5連結まで伸びる可能性がある分、黄紫1縦の方が、微差ながら良さそうです。
②
2縦とします。
4縦では紫は左から伸びることになり、場合によっては緑と競合します。緑ゾロ4縦から赤ゾロ4縦した時などが分かりやすいですね。
ちなみに、先に黄緑を2縦した後に緑ゾロを引いた場合は、1縦とします。
この緑ゾロで緑の4連結ができるため、左右に散らすという意識を持つ必要があまりありません。
4縦とすると、赤を4列目からすぐに入れられるように見えますが、赤が2列目から入るなら、紫は4列目から伸ばしていけるため、緑ゾロは1縦として、紫の連結余地を残すとともに、底上げを兼ねた方が優秀です。
③
1縦とすると、緑と紫が左方向で被ってしまうため、4縦とします。緑を左・紫を右というイメージです。
1縦でも、黄が4列目に入れば、緑を右・紫を左という形で進めることができますが、黄が来なかった時には、4縦の方が優秀になります。
④
はなれを作るのも一案ですが、この形なら緑を左・赤を右で伸ばしたい(赤を左だと、1列目の底上げが必要になる)ため、4列目に素直に赤を置けるなら置いてしまいます。
緑を1列目・赤を4列目・紫を3列目と役割がはっきりしてくるため、例えばこの後黄紫ツモなどは、うっかり45とせず、23で紫だけを伸ばします。
⑤
こちらはちょっと応用編。
34で黄も紫も活かせますが、緑の連結方向が左で固定されてしまいます。そうなると、紫は右で伸ばすという方針になりますが、その意識をしっかりと持ったとしても、ツモによっては緑と紫が左方向で被ることもあります。
黄紫34から、紫ゾロ→赤ゾロ→赤ゾロと引いた図がこちら。
紫が4列目で伸び切る前に、赤が4列目に入る展開です。確率的には高くありませんが、こういった展開もあることを意識しておきましょう。
そうなると、序盤で1層目の連結方向を固定してしまうのは、できるだけ避けた方が良いということになります。まあ、こうなったら3色で組みそうですし、4色で受けきれるツモもありますし、他の例よりは優先順位は低めではあります。
現状黄の数が多く、相対的に価値が低くなっています。そこで、紫下の3縦とすることで、緑の連結方向を定めず、受けを広くするという選択肢が生まれてきます。
赤はやや遠いものの、2列目に緑か紫が入れば入れられるようになりますし、緑の連結余地を広く取ったことで、3色の目を大きくしています。
連結方向を被らせないというよりは、律速の考えに近そうですが、一応紹介しておきます。五式は律速の登場機会が、一式三式と比べて少ない(五式は受けが広く最小手数を取りに行く形なので(ちぎりを拒否するべき場面が少ない))と思っていますが、まれに活用できるのかもしれません。
いくつか例を挙げてみましたが、とりあえずは連結方向を散らす意識を持つことが大事ということだけ、伝わっていればヨシ!です。
実戦で迷った時、リプレイの見直しをする時、この指標に沿えているかどうかで、ある程度正解が見えてくると思います。
おまけ
五式の考え方でもう一つ大事な点に、3列目を高くしすぎないというものがあります。
鍵上色は2列目1段目に置けているため、今度は34としたくなるところですが、ここは12とします。
34とすると3列目が高くなりすぎ、3層目の赤を入れるのが遠くなってしまいます。
12でも紫は確定できておらず、赤がすぐに偏ると苦しい展開になりますが、紫を1つでも置ければ入れられるようになります。
また、紫が3列目に縦3連結あると、デビルが多く発生します。特に、緑を4列目から伸ばすにあたり、緑紫デビルにより足せなくなることが多いですね。